【3月15日 People’s Daily】「間隔に注意して」「掘るときは適度な深さと幅で」「何人か苗を植えるのを担当して」──畑は活気にあふれていた。

 中国の広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)河池市(Hechi)平林村(Pinglin)の油茶栽培拠点では、中国共産党員や幹部20数人と民衆40数人が互い違いになって距離を取り、マスクをつけて作業にいそしんでいた。シャベルやスキが何度も振り下ろされ、しばらくすると油茶の苗がずらりと一列に植えられていた。

 畑だけでなく、工場も活気にあふれていた。機械がうなりを上げる玉柴機器(YC Diesel)の大型船舶用電気設備生産現場では、消毒やロボットアームによるクレーン作業などさまざまな作業が整然と行われ、忙しく動いていた。

 新型コロナウイルスによる肺炎が発生してから、同自治区は感染対策にしっかり取り組むことを前提として、プロジェクトや企業活動、生産活動の早期再開に向けてあらゆる手を尽くすとともに、貧困脱却の難関攻略戦の展開に力を入れ、9月末までに貧困脱却任務の基本的達成を保証する。

 同自治区玉林市(Yulin)の玉林市党委員会の呂剣楓(Lujiandeng)常務委員(宣伝部部長を兼任)は、「企業へサービスを主体的に提供し、市全域での中小企業支援のための16項目、市全域の経済の安定成長促進のための21項目の政策措置を制定して打ち出した。あらゆる手段で企業が感染対策の物資、従業員への保障、生産要素、物資の輸送といった難問を解決するよう支援し、企業の業務再開を全面的に後押しする」と述べた。

 感染症が発生してから、広西の金融機関が感染対策企業1928社に70億元(約1048億円)の貸し出しを行い、中小企業・零細企業には累計760億元(約1兆1380億円)を貸し出し、企業の業務再開に際しての差し迫った問題を解決した。

 同自治区の陳武主席は、「感染対策をしっかり行うと同時に、プロジェクトや企業活動、生産活動の早期再開に向けてあらゆる手を尽くし、全力で時間と競争し、損失を埋め、通年の経済社会発展の目標・任務の達成に向けて努力する」と述べた。

 同市陸川県(Luchuan)新興村(Xinxing)に派遣された作業チームの覃振さんは、「感染症の影響により、最近は多くの貧困農家の果物や鶏・アヒルなどの農産品の売れ行きが悪くなった。自分から動いて平落鎮の村に派遣されたチームのメンバー達と一緒に頑張って貧困農家の農産品をインターネットにアップし、わずか10数日ほどで、SNSを利用して貧困農家約30戸が食用鶏3千羽、パッションフルーツ3000キロ以上、質の高い晩生の米6千キロを販売するのを支援した……これでやっと安心できる」と述べた。

 貧困脱却の難関攻略戦の決戦にあたり、各地の「貧困者支援の現場」も全力で動き始めている。体温測定、出勤記録、手洗い・消毒といった一連の厳格な感染対策措置を取った上で、貧困農家の藍一峰夫妻をはじめとする29人の作業員がマスクをつけ、玉林市博白県那林鎮珊瑚村の金沛工芸工場の「貧困者支援の現場」に復帰して働いている。

 貧困者支援の現場での雇用ニーズや貧困世帯の就職の問題を解決するため、博白県はインターネットや微信(ウィーチャット、WeChat)などを利用してオンライン採用活動やWEB面接を推進する。現在、第8期オンライン採用情報が発表され、企業226社から1万人を超える求人があり、これまでに約2100人の採用が内定した。

 同自治区党委員会の鹿心社(Luxinshe)書記は、「広西の貧困脱却の難関攻略の任務は重大であり、感染症だからといって小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な完成の決勝戦や貧困脱却の難関攻略の決戦という大きな局面に決して影響を与えてはならない。目下の急務は貧困脱却の難関攻略の問題を少しずつ整理して明瞭にすることであり、さらに的を絞った措置を打ち出して問題を徐々に解決するよう貧困層を支援することだ」と述べた。(c)People's Daily/AFPBB News