【3月14日 Xinhua News】中国・河北省(Hebei)の各製造業は、新型コロナウイルスによる肺炎の発生以降、生産体制の復旧に努め、国内外からの注文を納期までに納品することで、世界のサプライチェーンの安定を支えている。

▽「中国製のホイール」「中国製の橋」が世界へ

 河北省秦皇島市(Qinhuangdao)経済技術開発区の中秦興竜工業集団は、アルミ合金ホイールなど自動車部品の開発・製造を主力としており、アルミ合金ホイールの年産能力は1300万本に上る。梁勇・計画部マネジャーは「新型肺炎を理由に納品を中断するわけにはいかない。3月は80万本納品する。現時点で毎日2万8000本製造し、米国や日本などの小売市場、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(Ford)、フォルクスワーゲン(Volkswagen)など国内外の自動車メーカーに製品を供給している」と語った。

 秦皇島市山海関区にある中鉄山橋集団の工場でも、新型肺炎と工期という二重の負担を抱えながら生産を拡大している。オランダ・テルネーゼンでの橋梁(きょうりょう)・水門事業では、1枚目のプレート部分が検収を順調に通過した。京瀋(北京―瀋陽)鉄道や昌九(南昌―九江)鉄道、北京地下鉄、上海地下鉄などが至急必要としている各種分岐器も急ピッチで生産が進んでいる。中鉄山橋集団は、中国で最も工場設立が早く、規模も大きい橋梁建設・鉄道分岐器製造会社で、これまでに3200カ所以上の鋼橋を建設し、複数のプロジェクトで中国や世界の第1位を獲得している。

▽力強く発展する「産業の心臓」

 設備製造業の「心臓」と称されるベアリングは、重要な基礎部品に当たる。河北省臨西県(Linxi)は全国のベアリング市場で10分の1のシェアを誇り、生産や販売に携わる企業は486社に上る。製品は東南アジアやアフリカ、欧米など90以上の国や地域で販売されている。

 河北誠為軸承制造はベアリングの鍛造や熱処理などを手掛け、ベアリングリング製品を年間3500万個以上生産する。米ティムケン(Timken)や日本のNTN、独フィッシャーなど十数カ国・地域の企業に製品を販売している。操業再開後は毎日1万個余りのベアリング製品を出荷し、在庫ゼロを実現した。閆玉国・販売マネジャーによると、2月12日の操業再開以来、従業員の職場復帰率は95%を超え、生産設備もフル稼働している。現在生産中のベアリングリング30万個は、日本に輸出すると語った。

▽「産業の米」を速やかに輸出

 河北省邯鄲市(Handan)永年区にある規格部品メーカーの河北冀南標准件は、ベトナムの顧客とボルトとナット400トンを供給することで基本合意に達した。ウェブサイトへのログインからオンライン商談、製品紹介、価格交渉、成約まで30分もかからなかった。張亮輝総経理は「当社はクラウドプラットフォームを通じて大量に受注している。生産は10月まで続く見込みだ」と語った。同社は、広東省(Guangdong)陽江原子力発電所や深圳宝安国際空港第3ターミナルビルなど10件以上の国家重点プロジェクトを手掛けた他、ベトナムやマレーシアの販売業者と基本合意書を交わしており、取引額は約700万元(1元=約15円)に達する。

 規格部品は「産業の米」と呼ばれ、機械の基礎部品に当たる。工業や建設工事など多くの分野で幅広く利用されている。邯鄲市永年区は中国最大の規格部品生産基地で集散地でもある。輸出権を持つ規格部品企業は280社以上。ガーナやインド、フィリピンなど20カ国以上に事務所を構え「一帯一路(Belt and Road)」沿線国家・地域で広大な市場を開拓している。

 張総経理は「新型肺炎の流行期間中、企業と顧客は主にオンラインで取引や交渉をしている」と語った。現時点で永年区の基幹企業300社以上がクラウドプラットフォームで受注しており、取引額は10億元を超えた。うち海外からの受注は600万ドル(1ドル=約105円)以上に達している。(c)Xinhua News/AFPBB News