【3月13日 Xinhua News】中国の四川省文物考古研究院は10日、同省渠県の城壩遺跡の発掘調査で、2000年以上前に中国南西部で生活していた少数民族「賨人」の高位者が埋葬された船棺墓を発見したと発表した。墓からは竜文玉佩や蜻蜓眼瑠璃珠(とんぼ玉)、編鐘など精巧で格の高い文化財が出土した。

 同遺跡は、春秋戦国時代に賨人が建てた賨国の都で、古代巴文化の範囲に含まれる。

 発掘チームのリーダー、陳衛東氏によると、同遺跡は国家文物局の承認を経て同研究院が渠県歴史博物館と合同で昨年10月から発掘調査を実施。比較的価値の高い戦国時代の墓4基を発見した。墓はいずれも長方形の土坑墓で、一部には船の形をしたひつぎ「船棺」が用いられていた。

 比較的状態の良い3基の中ではM45号墓が最も大きく、長さは7.9メートル、幅1.8メートル、深さ1.6メートルある。墓室の傍らの器物坑からは青銅器11点も見つかった。墓全体からは打楽器の一種の虎鈕錞于(こちゅうじゅんう)や銅鉦(どうしょう)、編鐘など巴文化特有の器物のほか、竜文玉佩や蜻蜓眼瑠璃珠、金剣格柳葉形剣など精巧な文化財を含む銅器や陶器、玉器など七十数点が出土した。

 陳氏はM45号墓から錞于や編鐘、銅鉦など格の高い文化財が出土したことについて、被葬者の身分が非常に高いことを示しており、高い歴史研究価値を持つとの見方を示した。同墓は巴文化の中核地域で新たに見つかった中・大型墓であり、戦国時代中・後期における巴国の中・大型墓の空白を埋める存在になるとも指摘。同遺跡で春秋戦国時代の墓が見つかったのも今回が初めてであり、古代巴文化の研究に新たな材料をもたらしたと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News