【3月13日 AFP】米議会で証言した医師が、米国の新型コロナウイルスの感染者数が最終的に7000万~1億5000万人に達する可能性があるとの予測を示していたことが分かった。ラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)下院議員が12日、明らかにした。

 タリーブ氏は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が設置した新型ウイルス対策のタスクフォースのメンバーと臨んだ下院の公聴会で発言し、米ニュースサイト「アクシオス(Axios)」やNBCニュース(NBC News)など国内メディアの報道を認めた。

「議会の専門医が、米国で最終的に7000万~1億5000万人が新型コロナウイルスに感染すると予測していると上院で述べた」とタリーブ氏は明らかにした。

 アクシオスは、ブライアン・モナハン(Brian Monahan)医師が上院指導部にこの予測を伝え、最悪の事態に備えるべきと主張し、健康を維持する方法を助言したと報じていた。

 モナハン氏の予測では、最大で米国の人口3億2700万人の約46%が感染するとの見通しだ。一方、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は今週、最大で同国の人口の70%が感染する恐れがあると警告していた。

 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)所長は11日に議会で証言し、新型コロナウイルスの症例の約80%は軽度で、致死率は約1%だと述べた。

 この致死率に基づくと、死亡者数は最小で約70万人、最大で150万人と予測される。

 2018年の米国の死因1位は心臓疾患で、65万人超が死亡した。インフルエンザと肺炎による死者数は約6万人だった。

 米ジョンズ・ホプキンス大学(Johns Hopkins University)の集計によると、12日の時点で、米国では感染者約1300人超、死者38人が確認されている。(c)AFP/ Issam AHMED