■政府指示への反応は

 当局は、不必要な外出や会合を避けるなど、他者との接触を最小限に抑えるよう人々に求めた。その結果、ソウル市内の普段は活気にあふれる地域でさえ、街中は静まり、店やレストランの客は半減した。

■なぜ致死率が低いのか

 このウイルス感染による致死率の世界平均3.4%に対して、韓国では0.77%という低さとなっている。これには、幾つかの要因がある。早期の治療を可能とする早期発見と広範な検査で軽度および無症状の感染者が確認されることだ。これにより、感染件数の総数は押し上げられるが、その一方で致死率は下がる。

 他方で、韓国での感染者の半数近くが40歳未満であることもある。これには、感染拡大を招いた新興宗教が関係している。ここでの信者多くが20~30代女性だったのだ。世界的に見ると、最も命に危険があるのは高齢者の感染とされている。

■韓国を手本とみなすべきか

 約600人が感染し、十数人が死亡している日本の状況について、東京を拠点とする「医療ガバナンス研究所(Medical Governance Research Institute)」理事長の上昌広(Masahiro Kami)氏は、日本では広範な検査が行われておらず、韓国の対応から学ぶことができると話す。

 同氏は、ウイルスを抑制するために重要となる最初の措置が検査であると指摘し、韓国の対応は「あらゆる国にとって、良い手本となる」と続けた。(c)AFP