【3月26日 東方新報】中国の国家統計局が2月28日に発表した「2019年国民経済社会発展統計公報」によると、速報値で2019年の中国の国内総生産(GDP)は前年比6.1%増となり、年平均為替レートで換算すると14兆4000億ドル(約16兆円)で世界第2位の規模を維持した。1人当たりの平均では7万892元で、ドル換算で1万ドル(約111万円)と、初めて1万ドルの大台を突破した。これは中国の総合国力が新たなステージに立ったことの一つの指標といえる。

 中国のGDPは、2010年に初めて日本を超えて世界第2位の規模になった。この10年を振りかえれば、中国経済の世界経済に占める比重は9.25%から16%に上昇し、1人当たりのGDPも4550ドル(約50万円)から1万ドル台になった。世界の経済成長に対する貢献率は安定的に30%前後だ。全世界では、1人当たりの平均GDPが1万元(約15万6000円)以上の人口規模は2018年の15億人から30億人に増加と、およそ倍増。このことは人類経済社会発展の重大進歩というだけでなく、中国が一つの発展中の新興経済体として世界に強大な貢献をしているということでもあろう。

 中国国内における影響をみれば、2019年の全国人民の平均可処分所得は初めて3万元(約46万7000円)を突破、これは10年前の1万46元(約15万6500円)のおよそ3倍だ。生計費中に占める飲食費の割合を示すエンゲル係数は10年前より8ポイント下落して28.2%前後。収入が持続的に増加し、消費構造も持続的にレベルアップ、まさに中国を全世界最大の消費市場にしている。最終消費の経済成長に対する貢献率は、この10年で44.9%から57.8%に上昇した。

 中国の1人当たりGDPは、おおむね世界平均水準の90%。韓国の約3分の1、日本の4分の1、米国の6分の1であり、国連の基準からいえば、まだまだ中等国の上位収入国家の水準にすぎない。さらに高収入国家の仲間入りをするには、今後二つのテーマがある。

 一つは経済を失速させないこと。具体的にはサプライサイドの構造改革を中心に、改革開放を堅持し、科学的で穏健にマクロ経済政策の逆周期調節の加減を把握し、ミクロ経済の活力を増強することだ。もう一つは、収入の再分配制度改革を深化させること。低所得層の収入を増加させ、中所得層を拡大することだ。

 目下、中国経済は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けているが、これはコントロール可能だろう。中国としては、各地各部門で次々と減税、経費軽減、賃貸料の減免などの効果的な政策によって、新型ウイルスのマイナス影響の相殺に動いている。

 中国には依然、大規模市場の優勢と内需の潜在力があり、またインターネットの急激な進歩と消費観念の転換に伴い、オンライン消費が急増しているが、この分野は新型ウイルスによる短期的な消費・需給の制約のもと、むしろ新たな消費潜在力を刺激している。企業の再稼働再生産率が回復するに伴い、消費行動も加速的に回復、収束後には外食、文化・娯楽サービス型の消費が反動的にV字回復し、損失をある程度補うだろう。

 サプライサイドの観点からみれば、製造業の全体の優勢は十分顕著で、世界で最も完璧な産業チェーン、サプライチェーン、サービスチェーンを有しており、製造業規模は世界首位だ。再稼働の遅延により短期的には企業の利益にマイナス影響をもたらすとはいえ、一部医療メーカーや専門設備メーカーの業務は激増しており、これもネガティブな影響をある程度相殺できるだろう。また、製造業のデジタル化、スマート化は、この新型肺炎感染を機にさらに加速し、グローバルチェーンにおける中国の地位はむしろ、さらに強固になるとみられている。(c)東方新報/AFPBB News