【3月13日 AFP】バングラデシュの裁判所は11日、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)氏(79)が同国の労働法に違反したと認め、謝罪したと発表した。ユヌス氏は罰金7500タカ(約9000円)の支払いを命じられたという。

 ユヌス氏は、貧困層に無担保小口融資を行うグラミン銀行(Grameen Bank)の創設者。貧困削減に寄与した功績を評価され、2006年にノーベル平和賞を受賞した。

 当局によるとユヌス氏は、自身が会長を務める情報技術会社グラミン・コミュニケーションズ(Grameen Communications)が労働法に違反したと認めた。

 また裁判所によると、ユヌス氏とグラミン・コミュニケーションズの幹部3人は労働裁判所に公式に謝罪。起訴は取り下げられたものの、ユヌス氏らはそれぞれ、罰金として7500タカを支払ったという。

 ユヌス氏は現在も講演などで世界を飛び回る著名人だが、近年は多くの法的問題に直面している。ただ、法律違反を認めたのは今回が初めてとなる。

 ユヌス氏は2011年にグラミン銀行総裁を解任されたが、同氏の支持者らはこれについて、シェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相が画策したものとみている。ワゼド氏はユヌス氏について、高い利子で貧困層の「血を吸っている」などと批判していた。(c)AFP