【3月13日 Xinhua News】中国北京市の中日友好病院で看護師ボランティアとして活動した日本人女性が新型コロナウイルスによる肺炎の拡大防止のために中国語で描いたイラストが、SNS上で話題になっている。女性はハンドルネーム「香香(シャンシャン)」こと岩崎春香さん。現在は、神奈川県横浜市に緊急帰国している。

「どうか気を付けて。必ず無事に戻ってきて!」。岩崎さんは9日、新華社の取材に応じ、中日友好病院の同僚へのメッセージを記者に託した。湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の第一線で闘う全ての医療従事者が無事に帰還するよう心から願っていると話す。

 岩崎さんのイラストは、ナースキャップをかぶった看護師のパンダ隊員「香香」を主人公に新型肺炎の予防に関する専門知識を中国語で紹介し、中国で多くのファンを獲得した。「美しい日本の女性、ありがとう!」「感染症との闘いに国境はない。一緒に頑張ろう」などのコメントが続々と寄せられている。

 2018年夏、日本の青年海外協力隊の看護師隊員として中日友好病院国際部に派遣された。当初、中国語が話せなかった岩崎さんを多くの同僚が気にかけ、仕事から生活まで全面的にサポートした。

 岩崎さんは中国の同僚たちへの恩返しとして、得意のイラストで病院での日常を描くことで、より多くの中国人や日本人に懸命に働く同僚たちの姿を知ってもらおうと思い立った。「春香」という名前にちなんで、同僚たちから親しみを込めて「香香」と呼ばれ、東京の上野動物園(Ueno Zoological Gardens)で生まれたジャイアントパンダも「香香」であることから、「香香」という名の看護師「パンダ隊員」を主人公にしたブログで、「香香」や同僚たちの日常の仕事ぶりを紹介することにした。

 中日友好医院は1月26日、国家緊急医療隊の第1陣を武漢へ派遣した。国際部の同僚看護師、王麗麗(Wang Lili)さんもそのうちの一人。医療従事者として危険を承知しながら自ら進んで武漢へ赴く同僚たちに尊敬の念を抱かざるを得ない。岩崎さんは取材当日、記者の目の前でイラストを描き、「私たち日本人も武漢にいる医療従事者に敬意を表します、早くこの事態が収まりますように。無事を祈ります」と、日本語と中国語で心のこもったメッセージを添えた。

 日本でもこのところ、新型肺炎の感染拡大が予断を許さない状況となっている。岩崎さんは中国政府や関連機関が日本に感染対策物資を寄付したことをニュースで知り、日本人として心からの感謝の意を表すとともに「共に協力すれば、越えられない難関はないと信じています」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News