【3月13日 CNS】中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)ラサ市(Lhasa)税関が10日に明らかにしたところによると、サバクトビバッタの侵入を阻止するため、ラサ税関は多種の防止措置を講じ、ダム鎮、ドモ県、キドン県などの国境周辺に対し監視を強化している。目下のところ砂漠バッタの侵入は確認されていない。

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 サバクトビバッタは飛行力が高く、1平方キロあたり8000万匹の巨大な群れをつくる。一日の食物摂取量は3万5000人分の食糧に相当し、食糧の安全と農村の生計にとって重大な脅威となる。世界で最も破壊力のある移動性害虫とされている。

 近ごろ、サバクトビバッタは東アフリカ、西アジア、南アジアの一部の国で大規模に発生し、パキスタンとアフリカの複数の国では蝗害(こうがい)による緊急事態が宣言された。サバクトビバッタが大量に中国に襲来すると、チベットの農牧業生産に脅威を与え、生態環境を破壊し、国民の正常な生活秩序を乱しかねない。

 ラサ税関は、国境近くにある町の周辺2キロメートルの範囲でサバクトビバッタの調査を行い、監視データを適時にとりまとめ分析を行っているという。

 このほか、ラサ税関は、蝗害の情報収集を強化し、ネパールやインドにおけるサバクトビバッタの関連情報を、種々のルートから多岐にわたり収集、国外の蝗害の広がる速度と飛行経路を分析し、中国に襲来するおおよその時間を予測し、事前に万全の準備を行うとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News