【3月12日 AFP】スペイン保健省は11日、国内の新型コロナウイルス感染者が2000人を超え、死者は48人になったと発表した。これによりスペインは、欧州でイタリアに次ぐ最大の流行国となった。

 保健省によると11日午後6時(日本時間12日午前2時)時点で、感染者数は前日の1639人から2140人に増加。患者の半数と感染による死者のうち31人が首都マドリードで確認されており、国内で最大の流行地となっている。

 保健省は感染拡大阻止へ向けた緊急対策として、マドリード市内の学校を2週間休校としたほか、公共交通機関の日常的な消毒実施や、イタリア発の航空便の到着禁止を打ち出した。

 また、文化省は同日、マドリード市内の美術館を12日から追って発表のあるまで閉鎖すると発表した。市内には、フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco Goya)やディエゴ・ベラスケス(Diego Velazquez)の名作を多く所蔵するプラド美術館(Prado Museum)や、スペイン内戦を描いたパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の代表作「ゲルニカ(Guernica)」を所蔵するソフィア王妃芸術センター(Reina Sofia)などがある。

 しかし、保健緊急警報調整局のフェルナンド・シモン(Fernando Simon)局長は、こうした緊急対策の効果が表れるのは「9~10日後」だと指摘。流行を食い止めるには「1~2か月」は要する見通しで、最悪の場合は最長4か月かかるとの見方を示した。

 スペイン政府は、世界第2位の規模を誇る国内の観光業への支援を約束した。(c)AFP