【3月13日 AFP】国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」は先月13日、「紛争下の子どもを守ろう(Stop the War on Children)」キャンペーンの調査報告書を発表し、各国政府に対して、紛争や深刻な暴力の影響から子どもを守るために一層の対応を求めた。

 同報告書は、2018年に紛争地帯に住んでいた子どもの数が世界中で6人にほぼ1人の割合に相当(約4億1500万人)し、1995年に記録した人数の2倍を上回ったと指摘している。

 セーブ・ザ・チルドレンは、子どもたちへの「重大な人権侵害」は2010年以降、170%増加したことを報告書で明らかにした。

 中でも最も影響を受けているのはアフリカ地域の子どもたちで、紛争地帯に住んでいた子どもの数が1億7000万人に上っている。割合が最も高いのは中東地域で、3人に1人近い子どもが戦いに取り囲まれた中で暮らしていることが分かった。国別に見ると、最悪の状況にあるのはアフガニスタンで、次いで、中央アフリカ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、イラク、マリの順になっている。

 セーブ・ザ・チルドレンは、戦争が子どもにとってますます脅威となり、若者は死傷したり、武装集団に引き入れられたり、性的虐待を受けたりするリスクが高まっていると指摘。今回の調査では、男女別の脅威を初めて分析し、報告書は「女子は、児童婚・早婚・強制結婚を含む性暴力や、ジェンダーに基づくその他の形態の暴力を受ける危険性が非常に高く」、「男子は、殺害・身体障害・誘拐・武装グループへの引き入れの危険性が女子に比べると非常に高い」としている。

 セーブ・ザ・チルドレンのインゲル・アッシン(Inger Ashing)事務局長は、「子どもたちが標的にされながら誰も罰を受けず、世界がそれを傍観していることに驚かされる」として、「2005年以降、少なくとも9万5000人の子どもが殺害されるか障害を負い、数万人の子どもが誘拐され、数百万人の子どもが教育の機会を奪われ、病院を攻撃されて医療を受けられずにいる」と主張。

 このまま何もせず、犯罪に関与した者たちに責任が問われなければ、「子どもたちの命の破壊」は今後も続くと警鐘を鳴らした。(c)AFP/James PHEBY