【3月12日 AFP】イラクの首都バグダッド北郊で11日夜、米主導の有志連合軍が駐留するタージ（Taji）空軍基地にロケット弾18発が撃ち込まれ、米兵1人、英兵1人、米請負業者1人が死亡した。米当局者が明らかにした。外国部隊が駐留するイラク基地に対する攻撃としては、近年最多の死者となる。

　有志連合軍は、3人が死亡、12人が負傷したと発表したが、その国籍には言及しなかった。一方、米当局者はAFPに対し、死者には米国人2人と英国人1人が含まれていると明かした。

　これまでのところ、米英両政府も死者に関するコメントを発表しておらず、犯行声明も出されていない。

　米国は過去の同様の攻撃について、イラクの治安部隊と公式に協力関係にあるイスラム教シーア派（Shiite）武装勢力の連合体「人民動員隊（Hashed al-Shaabi）」傘下の組織によるものと非難してきた。

　シリア人権監視団（Syrian Observatory for Human Rights）によると、ロケット弾による攻撃から数時間とたたないうちに、有志連合軍所属とみられる戦闘機3機が、シリアの対イラク国境近くに駐留する人民動員隊傘下の組織を空爆した。

　同監視団のラミ・アブドルラフマン（Rami Abdel Rahman）代表によると、人民動員隊傘下の組織が多数駐留する国境の町アブカマル（Albukamal）の近くで10回の爆発があったという。

　人民動員隊傘下の強硬派組織は数年間にわたり、シリア政府軍側について戦っており、有志連合軍とイスラエル軍の標的とされてきた。(c)AFP