【3月12日 AFP】米ニューヨークの裁判所は11日、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の告発運動「#MeToo(私も)」にとっての歴史的な訴訟でレイプと性的暴行で有罪評決を受けていたハリウッドの元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)被告(67)に対し、禁錮23年の量刑を言い渡した。

 ワインスタイン被告の弁護団は最短の刑期である禁錮5年を求めていたものの、ジェームス・バーク(James Burke)裁判官はこれを退け、最長の禁錮29年に近い重い判決を下した。

 かつては強い影響力を誇ったワインスタイン被告は、推定1億5000万ドル(約157億円)とされる個人資産の大半を失い、エンターテインメント業界での地位を失った。今回の量刑判決をもって、注目を集めた同被告のニューヨークでの裁判は完結した。

 映画『恋におちたシェイクスピア(Shakespeare in Love)』のプロデュースで米アカデミー賞(Academy Awards)を受賞し、数々の話題作やヒット作を生み出したことで知られるワインスタイン被告は、女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんやサルマ・ハエック(Salma Hayek)さんら90人近い女性から、40年に及ぶ卑劣な略奪的性的暴行を告発された。

 ワインスタイン被告を告発し、「沈黙を破った人々」として知られる24人の女性グループは、米芸能メディア各社に対し、ワインスタイン被告の遺産とは、今後もずっと、有罪判決を受けた性的暴行犯であることだと表明。同被告が「刑務所に入る」ものの、「どんなに長い禁錮刑でも、同被告が破滅させた人生、破壊した経歴、もたらした損傷を修復することはない」と述べた。

 同グループには女優のアシュレイ・ジャッド(Ashley Judd)さん、ロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)さん、ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)さんやジャーナリストのローレン・セバン(Lauren Sivan)氏らがいる。(c)AFP/Thomas URBAIN