イタリア人、隣国スロベニアで普段通り買い物 移動制限の一方で
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【3月11日 AFP】欧州における新型コロナウイルスの流行中心地となっているイタリアと国境を接するスロベニアは10日、イタリアからの入国を厳しく制限すると発表した。一方で同日には、まだ規制がかけられていない出入り可能なスロベニア国境を越えて、普段通りに買い物をするイタリア人の姿も見られた。
中国に次いで新型コロナウイルスの感染者が多いイタリアは9日夜、全土で人の移動を制限すると発表した。
これを受けてオーストリアとスロベニアは10日、隣国イタリアからの入国を厳しく制限する意向を明らかにした。
イタリア北東部トリエステ(Trieste)市の周辺住民は、国境を越えたスロベニアでより安価なガソリンを補充したり買い物をしたりすることが多い。
イタリア政府の命令によると、移動は「緊急かつ検証可能な労働状況や、緊急事態や健康上の理由」によるもののみ認められるという。
しかし、トリエステから20キロ以内にあるスロベニア・セジャーナ(Sezana)郊外の商業施設では、駐車場で確認した車のうち半数にイタリアのナンバープレートが付いていた。
また、国境規制はなく、イタリア・スロベニア間を車で自由に出入りすることができた。
スロベニアは9日、国境での検診を導入し、12日から一部の国境検問所を閉鎖すると発表した。10日には一部の国々と同様、イタリアなどの新型コロナウイルス流行地域からの航空便を一時停止した。
アルプス山脈の麓にあるスロベニアは人口約200万人。これまでに32人の感染が報告されており、その半数以上はイタリアと直接的な関連があった。
多くのイタリア人がスロベニアにあるカジノを訪れているが、スロベニアの大手カジノ・チェーン「ヒット(Hit)」は10日、予防措置として今月20日まで同社のカジノ店舗を休業とすると発表した。(c)AFP/Bojan KAVCIC