【4月18日 AFP】トルコのメレッキ・チェティンカヤ(Melek Cetinkaya)さん(43)は、いつもなら警察の注意を引くようなことはないどこにでもいる普通の母親だ。

 だが、チェティンカヤさんが投獄されている息子のフルカン(Furkan Cetinkaya)さんに正義を要求するベストを着るやいなや、数分もたたずに現れた女性警官2人に無言で腕をつかまれ、すぐに白いバンに押し込まれた。

 チェティンカヤさんは昨年9月に抗議行動を始めて以降、30回近く拘束されている。

 しかし、誰も息子のために闘うチェティンカヤさんを止めることはできない。

 空軍士官候補生だった息子のフルカンさんは、2016年7月に発生したレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に対するクーデター未遂に参加したとして、わずか19歳で刑務所に入れられたのだ。

 フルカンさんは2018年、無期懲役の判決を受けた。

 士官候補生数百人が同じように長期間の禁錮刑に処せられた。彼らは、クーデター未遂で特定の役割を果たしたとされているが、家族らはその役割が何だったのか全く知らない。

 チェティンカヤさんは先週行った抗議活動で「子どもたちがどうやってクーデターを実行したというのか」と問い掛け、道行く人に息子たちが経験した「不正義と不法行為、不公正な法的制度について知ってほしい」と訴えた。

 チェティンカヤさんは拘束される瞬間まで「士官候補生たちの声に耳を傾けて」と叫んでいた。

 近くにいた少年が父親に「何があったの?」と尋ねたが、父親がすぐに息子を黙らせ、立ち去った。