【3月11日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は10日、スロベニアとオーストリアが欧州における新型コロナウイルス流行の中心地となっているイタリアからの入国を厳しく制限したことについて、「誤った判断」と評した。

 スロベニアは10日、232キロにわたる対イタリア国境を封鎖すると発表。オーストリアも、イタリア行きの旅客機と列車の運休を命じた。

 マクロン氏は、フランスもイタリアと長い国境で接しているが、イタリアや発生国である中国のような思い切った封じ込め措置を取る必要はまだないと主張。「フランスに関して言えば、今日のところはこれまでに決定したものよりも踏み込んだ措置を取る必要はない。わが国は適切な措置を講じている」「明日か明後日、(より思い切った措置を講じる)理由が生じれば、そうした措置を取る」と述べた。

 さらに、フランスの新型コロナウイルス危機がほんの始まりにすぎない段階に「不適切な措置」を取るのは「逆効果」と主張。流行が確認された地域で封じ込め措置を取る方が「はるかに効果的」だと強調した。

 イタリアは10日、新型コロナウイルスによる国内の死者が168人増え、631人になったと発表した。国内の感染者は計1万149人となった。(c)AFP