【3月10日 AFP】韓国政府は10日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が火力演習を指導したのは、米国と韓国の目を引くことを狙ったものとの見方を示した。この演習をめぐっては、金氏が黒い帽子をかぶり、双眼鏡を手にしている写真が公開されている。

 日本政府は9日、北朝鮮が弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を複数発射したと発表。この翌日の10日、北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、金氏が「朝鮮人民軍長距離砲兵区分隊の火力打撃訓練を再び指導した」と報じていた。

 韓国の統一省は10日、過去2週間に実施され、金氏が指導した3度の演習は、同氏にとって今年初の軍事関連活動だったと指摘。

 演習が「内部の結束力を強化し、対外的には米国と韓国の目を引き、米韓両国が態度を変化させるよう圧力をかけている」との見方を示した。

 1年超前にベトナムの首都ハノイで行われた金氏とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領との首脳会談が決裂して以来、北朝鮮は兵器の性能を向上させるための開発を続けていると、専門家らは指摘している。(c)AFP