【3月11日 AFP】サッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)は10日、決勝トーナメント1回戦第2戦が各地で行われ、アタランタ(Atalanta)はヨシプ・イリチッチ(Josip Ilicic)の4ゴールでバレンシア(Valencia CF)を4-3で下し、2戦合計8-4で初の8強入りを果たした。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、この一戦は無観客で行われた。試合は乱打戦となったが、5万5000人収容可能なメスタージャ・スタジアム(Mestalla Stadium)では音が反響する異様な雰囲気で、ホームのバレンシアに大逆転劇をもたらしそうな気配は全くなかった。

 第1戦での1-4というスコアをひっくり返す難しいミッションに挑んだバレンシアだったが、キックオフから90秒もたたないうちにムクタル・ディアカビ(Mouctar Diakhaby)がPKを与えると、これをイリチッチに決められ、逆転の望みはほぼなくなった。

 その後、ケヴィン・ガメイロ(Kevin Gameiro)の2ゴールとイリチッチのこの日2本目のPKでスコアが2-2になると、フェラン・トーレス(Ferran Torres)に逆転弾が生まれ、バレンシアは残り約20分で8強入りまであと3点という状況になったが、イリチッチにさらに2ゴールを許してすぐさま逆転の芽を摘まれた。

 チャンピオンズリーグの決勝トーナメントにおいて、アウェーで1試合4得点をマークしたのはイリチッチが初めてとなる。

 113年の歴史で初めてチャンピオンズリーグに出場し、グループステージで3連敗スタートとなったアタランタの躍進は、今大会における最大のサプライズとなっている。

 チームを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ(Gian Piero Gasperini)監督は試合後、「チャンピオンズリーグは最初こそ難しかったが、うまく適応した」とコメントした。

 アタランタのホームであるロンバルディア(Lombardy)州のベルガモ(Bergamo)は、これまでに631人が亡くなったイタリアで最も深刻な被害が出ており、アタランタの選手たちは試合終了後、「ベルガモよ、この勝利は皆さんのためのもの!」と書かれたシャツをテレビカメラに向けて掲げた。

 ガスペリーニ監督は「非常に苦しんでいる地域をしっかりと代表できてとても満足している」と続けた。(c)AFP