【3月10日 Xinhua News】中国の北京市と上海市の高級レストラン約50店がこのほど、グルメサイト「Dining City(鼎食聚)」でデリバリーサービスを開始した。ミシュランガイドや出前サービスや生活情報サイトの運営を手掛ける美団点評が発表する黒珍珠レストランガイドに選ばれた店舗も参加している。

「Dining City」の運営パートナー、トワネ・ロイマンス氏は「これまではオンライン予約サービスしか扱っていなかったが、新型コロナウイルス感染による肺炎の拡大で、多くの予約がキャンセルされた。そこで、デリバリーサービスを始めることにした」と語った。消費者は高級グルメを自宅で楽しめ、レストランも新たな収入源を得ることで新型肺炎による経済的ダメージが軽減できる。

 ただ、当初は参加をためらうレストランもあった。ロイマンス氏は「これらの店舗は料理の味や盛り付け、サービス、店の雰囲気などを大切にしており、デリバリーでは最高のサービスを提供できないのではないかと心配していた」と指摘する。その後、話し合いを経て、一部のレストランで時間がたっても味に影響しないメニューが考案され、注文ページには配達先が一定の距離を超える顧客には注文を勧めないとの注意書きが添えられた。

 2日のサービス開始から4日間で、注文数は100件を超えた。

 サービスに参加しているレストランの責任者は「料理の質と味が落ちないよう気を付け、価格もできるだけ抑えた。新たな客層の開拓につなげたい。この時期ならではのPRになると思う」との考えを示し、「餓了麼(ウーラマ)」などの出前サイトでもサービスを始めたと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News