【3月9日 AFP】(更新)アフガニスタンの大統領選挙で再選を果たしたアシュラフ・ガニ(Ashraf Ghani)氏が9日、2期目の就任宣誓を行った。ただ対立候補のアブドラ・アブドラ(Abdullah Abdullah)氏もほぼ同時に就任宣誓を実施した。この異例の事態により、旧支配勢力タリバン(Taliban)との和平協議を控える中、同国が政治危機に陥る恐れが生じている。

 ガニ氏は、外交使節団や外交官、政界の重鎮ら数百人が出席した宣誓式で、「神の名のもとに、聖なるイスラムの教えに服してこれを守護するとともに、憲法の尊重と履行の監督を誓う」と述べた。

 一方、対立候補だったアブドラ氏は、ガニ氏が2期目の就任宣誓をした数分後に、自らの大統領就任宣誓を行った。

 昨年9月に実施された大統領選挙では、ガニ氏の勝利が発表されたが、アブドラ氏が異議を申し立てていた。アブドラ氏は支持者数百人が取り囲む中、並行して就任式を開催し、アフガニスタンの「独立性と国家主権、領土の一体性を守る」と述べた。

 両氏が並行して就任式を開催している最中には、2度の爆発音が聞こえ、一部の出席者らが避難した。

 爆発音が聞こえた際、2つの就任式の会場となった大統領府の構内には、式を見守ろうと数百人が集まっていた。

 サイレンが鳴り響く中、ガニ大統領はその場に残った群衆に対し「私は防弾チョッキを着用していない。シャツだけだ。私の頭を犠牲にしてでも、私はここにとどまる」と述べた。(c)AFP