【3月9日 AFP】北朝鮮政府は新型コロナウイルス対策として厳格な隔離措置を続けていたが、9日には同国に駐在する多くの外交官が国外に移送され、複数の在北朝鮮大使館が閉鎖された。

 北朝鮮では新型コロナウイルスの感染者が一人も確認されていない。政府はこれまでに国境などの封鎖や国民数千人の隔離などの厳しい規制を課してきた。

 また、外交官を含む外国人数百人も、大使館などの敷地内で事実上の隔離下に置かれていた。

 ロシアのアレクサンドル・マツェゴラ(Alexander Matsegora)駐北朝鮮大使は、「精神的に押しつぶされそうな」状況だと話していた。

 1か月以上続いたこうした厳しい規制は先週ようやく緩和され、外国人200人以上に大使館などからの外出が許可された。

 スウェーデンのヨアキム・ベルイストロム(Joachim Bergstrom)駐北朝鮮大使は、ツイッター(Twitter)に「金日成広場(Kim Il Sung Square)に立っていることがこんなにうれしかったことはない」と自撮り写真と共に投稿した。

 9日に外交官らが退避する以前にも、外交官ら外国人を首都平壌からロシアのウラジオストク(Vladivostok)市まで移送する特別機が手配されると報じられていた。

 英国のコリン・クルックス(Colin Crooks)駐北朝鮮大使はツイッターに、「一時閉鎖している在北朝鮮のドイツ大使館やフランスの事務所の仲間たちに別れを告げるのは悲しい」と投稿。英大使館は業務を継続するという。(c)AFP