【3月9日 AFP】ドーピング検査で検体の提出を拒否し、8年間の資格停止処分を受けた競泳男子の孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ、中国)のオーストラリア人コーチが、同選手との師弟関係をすでに解消していると豪メディアが報じた。

 孫楊は2008年の北京五輪から、世界トップレベルのコーチと称されるデニス・コッテレル(Denis Cotterell)氏に師事し、同氏も孫はクリーンだと言い続けてきた。

 しかし、スポーツ仲裁裁判所(CAS)から孫が処分を下された今、コッテレル氏はもう「引退した」という。コッテレル氏は8日の豪紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)で「中国水泳協会(CSA)との契約は打ち切っている」と明かした。

 潔白を訴える孫は上訴の意向を示しており、担当の弁護士も、抜き打ち検査にやって来た検査官は無資格、もしくは無認可で、検査を続けないと判断したのは検査官の方だという孫本人と同じ内容の主張を行っている。

 しかしコッテレル氏は、孫の異議申し立てを支持するかとの問いかけに対して、「ノー」と答えた。

 孫楊への処分は、2014年に科された3か月の資格停止に続いてこれが2回目となる。しかしコッテレル氏は、昨年の第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)の場で「孫は薬物違反者ではない」と話していた。

「なんの努力もせず、彼がこの数年で残してきたような実績を挙げるのは不可能だ。検査も毎年受けている。何百回とね。そしてこの10年間、毎年勝ち続けている」 (c)AFP