【3月9日 AFP】中国東部の福建(Fujian)省で新型コロナウイルス感染者と接触した人の隔離施設として使われていたホテルが倒壊し、当局は8日、少なくとも10人が死亡したと発表した。母子ら48人を救出したが、現在も23人ががれきの下敷きになっているとみられる。

 同国の応急管理省はソーシャルメディアで、救助隊ががれきの下から48人を救出し、そのうちの生存者は38人だと発表した。

 倒壊したのは、沿岸部に位置する泉州(Quanzhou)市にある6階建ての欣佳(Xinjia)ホテル。共産党機関紙の人民日報(People's Daily)によると、新型コロナウイルスの感染者と最近接触した人用の隔離施設に転用されていたという。

 応急管理省の消防局がオンライン上に投稿した動画には、救助隊が、子どもたちが医療用マスクをつけるのを手伝い、その後がれきから子どもたちを救出する様子が捉えられている。

 救出された12歳の少年は、母親がまだがれきの下にいると救助隊員に説明。動画には少年が「母親はついさっきまで、僕の隣にいた」と話す様子が捉えられていた。応急管理省によると、この数時間後に母親も無事救出されたという。

 同省はまた、がれきの下敷きになった男性の口にペットボトルの水を注ぐ救助隊員の姿を捉えた映像も公開。シフト交代時の「厳格な除染」措置の一環として、救助隊員同士で消毒スプレーをかけ合う姿も見られた。(c)AFP