【3月9日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP 2020)開幕戦カタールGPは8日、Moto2クラス決勝が行われ、レッドブルKTMアジョ(Red Bull KTM Ajo)の長島哲太(Tetsuta Nagashima)が初優勝を果たし、2010年にレース中の事故で命を落とした富沢祥也(Shoya Tomizawa)選手に勝利をささげた。

 27歳の長島は、10年前に富沢選手が優勝したのと同じ大会で初勝利を飾った。レースを終えた長島は、そのシーズンのサンマリノGPでこの世を去った富沢選手について、感極まった様子で「祥也は自分がレースを始めたときからずっと一緒だった兄弟のような存在」「いろいろなことを教わった。同じ場所で初勝利できたなんて信じられない。夢のようだ」と話した。

 長島はレース終盤にトップに立つと、そのままロレンツォ・バルダッサーリ(Lorenzo Baldassarri)とエネア・バスティアニーニ(Enea Bastianini)のイタリア勢2人を抑えて優勝を飾った。ポールポジションからスタートしたジョー・ロバーツ(Joe Roberts、米国)は4位だった。

 Moto3クラスでも、ホンダ・チーム・アジア(Honda Team Asia)の小椋藍(Ai Ogura)がアルベルト・アレナス(Albert Arenas、スペイン)、ジョン・マクフィー(John McPhee、英国)に続いて3位に入賞した。

 WGPは、新型コロナウイルスの感染拡大によりカタールGPのMotoGPクラスが中止となっていた。そのため新シーズンは静かに幕を開け、Moto2クラスが大会のメインイベントだった。MotoGPクラスは第2戦のタイGPも中止が決まっているため、4月上旬の米国GPがシーズン初戦となる。(c)AFP