【3月9日 AFP】医療保健費を削減しウイルスの急速な拡大阻止に失敗したと激しく批判されているドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は8日、米国は「完璧に調整された」対応を行っているとして自らを擁護した。

 米国では新型コロナウイルス感染者が500人を超えた。ワシントン州で新たに2人が死亡し、全米の死者は21人になった。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)に「われわれは非常に早くから特定の地域に対する国境閉鎖に動き、これは天の恵みだった。副大統領は偉大な仕事をしている。偽ニュースメディアは、われわれを悪者にしようとあらゆる手を尽くしている。嘆かわしい!」と投稿し、メディアが政府を「悪者」に見せようとしていると非難した。

 トランプ氏は、感染者は「増加ではなく、大幅に減少しつつある」と示唆したほか、「ワクチンは間もなく使用できるようになる」と事実とは異なる発言をしたり、公式に発表された推定致死率は「偽り」だと述べたりするなど、新型ウイルスの脅威をことさら小さく見せようとしている。

 トランプ政権は米国への感染を防ぐ措置として、2月初めから中国からの渡航者の入国禁止や検疫を実施してきた。

 疫学者らは、米政府の初期の措置は新型コロナウイルスの到来を遅らせたかもしれないが、国内の準備よりも、政府の対応をどう見せるかという戦略にかまけて時間を無駄にしたとホワイトハウス(White House)を批判している。(c)AFP/Frankie TAGGART, Andrew MARSZAL