【3月8日 AFP】男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2020)は7日、予選ラウンドの試合が各地で行われ、28度の大会制覇を誇るオーストラリアなどが決勝ラウンド進出を決めた一方、新型コロナウイルスの影響で無観客試合を戦った日本はエクアドルに敗れた。

 レイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)監督が率いるホームのオーストラリアは2勝0敗と突破に王手をかけて迎えたこの日、第3試合のダブルスを落としたが、第4試合に出場したジョン・ミルマン(John Millman)が6-7(6-8)、7-6(7-3)、7-6(7-3)でチアゴ・モンテイロ(Thiago Monteiro)に競り勝ち、勝利を決めた。

 ヒューイット監督は「素晴らしいパフォーマンスだった。これぞデビスカップだ」とチームを称賛し、初日のチアゴ・ザイブチ・ビウチ(Thiago Seyboth Wild)戦に続く逆転勝利を収め、このカードの主役になったミルマンについて「彼のキャリアの中でも最高の週末になったと思う」とたたえた。

 一方、兵庫県三木市でエクアドルと対戦した日本は、マクラクラン勉(Ben Mclachlan)/内山靖崇(Yasutaka Uchiyama)組が6-7(3-7)、3-6でゴンサロ・エスコバル(Gonzalo Escobar)/ディエゴ・イダルゴ(Diego Hidalgo)組に敗れ、敗退が決定。錦織圭(Kei Nishikori)と西岡良仁(Yoshihito Nishioka)の上位2人が不在の中で、世界トップ150に一人もシングルス選手がいないエクアドルにまさかの黒星を喫した。

 イダルゴは試合後、「ファンのいない状況に助けられた」「無観客のスタジアムでプレーするのは変な感じだったが、それで五分になったと思う」と話した。対して内山は、ほぼ空っぽの会場で集中してプレーするのは簡単ではなかったと明かしたが、「それを言い訳にはしたくない」と語っている。

 同じく無観客でホームのカリアリ(Cagliari)に韓国を迎えたイタリアは、シモーネ・ボレッリ(Simone Bolelli)/ファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini)組が6-3、6-1で南智惺(Ji-Sung Nam、ナム・チソン)/宋敏圭(Min-kyu Song、ソン・ミンギュ)組に圧勝。ファン不在の状況をものともせず、無敗で決勝ラウンドへの切符をつかんだ。

 イタリアテニス連盟(FIT)のマッチディレクターを務めるセルジオ・パルメリ(Sergio Palmeri)氏は、気性が荒いことで知られるフォニーニは無観客でのプレーに向いているとの見解を示し、「ファビオはとても冷静で整っていた。あいつは常に無観客の方がいいんじゃないかってみんなでからかった」と明かしている。

 そのほかの試合では、カザフスタン、ドイツ、オーストリア、スウェーデン、コロンビア、クロアチア、ハンガリー、チェコ、米国が11月に行われる決勝ラウンドへ駒を進めた。スペイン・マドリードで開催される決勝ラウンドでは、すでに前回王者のスペイン、カナダ、英国、ロシア、フランス、セルビアの出場が決まっていた。(c)AFP/Dave JAMES