【3月8日 AFP】19-20スペイン1部リーグは7日、第27節の試合が行われ、FCバルセロナ(FC Barcelona)は終盤に得たPKをリオネル・メッシ(Lionel Messi)が決め、1-0でレアル・ソシエダ(Real Sociedad)になんとか競り勝った。

 本拠地カンプ・ノウ(Camp Nou)のファンはチームに不満を示したが、キケ・セティエン(Quique Setien)監督は、チームが自信を失っていないことを強調している。

 バルセロナはメッシのここ4試合で5得点目、今季公式戦24ゴール目に救われたが、チームの出来は低調で、レアル・マドリード(Real Madrid)との「エル・クラシコ(El Clasico)」に敗れた前節に続き、残念な結果になる可能性もあった。

 カンプ・ノウの空気も張り詰め、サポーターの一部が口笛を吹いてチームへの不満を示すと、終盤にはジョルディ・アルバ(Jordi Alba)が抗議するかのように耳を指でふさぐしぐさを見せた。アルバは「僕はファンを尊重するが、ファンも僕を尊重する必要がある。誰だって口笛を吹かれるのは気持ちが良くない。それに、0-0でまだ15分そこそこだったんだ」とコメントした。

 セティエン監督は「自分たちのやっていることへの自信は失っていない。ファンはときに、相手チームはこちらのプレーを制限してくるものだという点を忘れるが、レアル・ソシエダが素晴らしいチームなのは考慮しなくてはならない」と話した。

 これで暫定首位に復帰したバルセロナだが、レアルが8日の下位レアル・ベティス(Real Betis)との試合に勝利すれば、再び勝ち点1差の2位となる。敵地でのクラシコ敗戦で重圧のかかる立場に戻ったバルセロナだが、この試合では奮起した姿を見せられず、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に頼らなければならなかった。

 81分のPKの場面では、ロビン・ルノルマン(Robin Le Normand)のハンドが取られたが、反則をアピールする選手はほとんどおらず、VARが介入してPKの判定が下された段階では試合がかなり進んでいたため、判定は大きな驚きを呼んだ。ソシエダの選手は、試合終了のホイッスルが鳴ったときにもまだ首を横に振っていた。

 それでも、またしてもピッチ外の問題に話題をさらわれる1週間を過ごしたバルセロナにとっては、勝利は何より重要だった。チームでは、コーチがクラシコで発した自軍の選手に対する汚い言葉が波紋を呼んでおり、ファンは試合前のチャントでコーチを支持する姿勢を示したが、セティエン監督は選手に謝罪したことを明かしている。

 ジェラール・ピケ(Gerard Pique)も「クラブが弱っている時期には、こういうことが表に出てくるものだ」「アドレナリンが噴き出しているアシスタントコーチが、自分を表現するのは普通のこと。僕らは当たり前だと思っている」と話した。

 アトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)とセビージャFC(Sevilla FC)の一戦は、点の取り合いの末に2-2の引き分けに終わった。アトレティコは11日に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)のリバプール(Liverpool FC)戦が待っており、そちらでは守備の引き締めが求められる。

 5位アトレティコと勝ち点2差の3位を維持したセビージャにとっては、引き分けはそれほど悪くない結果だった一方で、アトレティコは勝ち点差を詰める機会を逃した。(c)AFP