【3月8日 AFP】ラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2020)は7日、第4節の試合が行われ、イングランドは33-30でウェールズに勝利し、トリプルクラウン(英国勢とアイルランドとの試合で全勝)を達成した。

 しかし、歯に衣着せぬ発言で知られるエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、マヌ・ツイランギ(Manu Tuilagi)の「奇妙な」退場について主審を批判し、最後は「13人対16人」の試合だったと、判定がウェールズ有利に偏っていたと示唆している。この発言に対しては、何らかの処分が下される可能性もある。

 イングランドは60分にツイランギがチーム三つ目のトライを決め、33-16とリードを広げたが、試合残り5分でツイランギがジョージ・ノース(George North)にタックルを浴びせてトライを阻むと、これが違反な「腕を使わない」ものだったと判定され、ツイランギは退場を命じられた。

 ジョーンズHCはこの場面について、「奇妙に思っている。普段はこういうことにコメントしないのだが、じゃあどうやってタックルすればいい? 他にどんなタックルの仕方があったと言うんだ?」と話した。

「完全なるごみだ。申し訳ない、自分の中のルールを破ってしまった。しかし腕の位置がどうとかいう話はごみの山だ。あの場面では常識が無視されたと思う」「見事な低いタックルで相手の選手は明らかにバランスを崩していた。そこにマヌが覆いかぶさる形になったのは勢いを殺すためで、彼はやるべきことを全力でやった。勘弁してもらいたいね」

 すでにエリス・ゲンジ(Ellis Genge)がシンビンだったため、これで相手より2人少なくなったイングランドは、その後ダン・ビガー(Dan Biggar)、さらにはジャスティン・ティプリック(Justin Tipuric)にこの日二つ目のトライを許した。ジョーンズHCは「3人の数的不利は大きなダメージだ。それだけに選手は本当によくやったと思う」と話している。

 イングランドは、先発に復帰したアンソニー・ワトソン(Anthony Watson)が開始早々の4分に先制トライを決めると、さらにエリオット・デイリー(Elliot Daly)の前半のトライで加点した。主将のオーウェン・ファレル(Owen Farrell)はキック6本をすべて成功させて15得点を挙げた。

 大会はグランドスラム(全勝優勝)を狙えるフランスが首位に立っているが、イングランドにも優勝の可能性が残されている。ただし、3月14日に行われる予定だった最終節のイタリア戦は、新型コロナウイルスの感染拡大により延期が決まっており、敵地での一戦の代替日程はまだ決まっていない。

 ジョーンズHCは、7月4日の日本戦から始まる夏のツアーへすでに気持ちを切り替えていると話している。(c)AFP/Julian GUYER