【3月7日 AFP】エジプト当局は5日、約4700年前建造のジョセル(Djoser)王の「階段ピラミッド」の公開を再開した。

 階段ピラミッドは高さ約60メートルで、カイロ南郊にある広大なサッカラ(Saqqara)の墳墓群の中で最も大きい。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)である古代都市メンフィス(Memphis)の一部となっており、10年余り修復作業が行われていた。

 ハリド・アナニ(Khaled el-Anany) 考古相兼観光相は5日、同ピラミッド前で、「エジプトで最初で最古の、古代王朝の建国者ジョセル王のピラミッドの(中略)修復が完了した」と言明。このピラミッドは「完全に石で作られた世界初の建造物だ」とも述べた。

 紀元前2680年ごろに建築家イムホテプ(Imhotep)の指揮の下で建てられた階段ピラミッドは、1992年に起きた地震により、内部が大きく損傷した。考古省によると、修復は2006年に始まったが、アラブの春が起きた2011年と翌12年は中断され、2013年に再開した。

 5日の再公開には、エジプトのムスタファ・マドブリ(Mostafa Madbouli)首相と駐エジプト外国大使らが駆け付けた。マドブリ氏によると、修復にかかった費用は1億400万エジプト・ポンド(約7億円)余り。

 映像は修復が完了した「階段ピラミッド」とその内部、5日撮影。(c)AFP