【3月6日 AFP】パレスチナ自治政府は5日夜、ヨルダン川西岸(West Bank)のベツレヘム(Bethlehem)で新型コロナウイルスの感染者7人が確認されたと発表した。パレスチナ自治区内での感染確認は初めて。これを受け、イスラエルは6日、予防措置としてベツレヘム一帯を封鎖した。

 パレスチナ自治政府は30日間の非常事態を宣言。観光客のベツレヘム立ち入りは2週間禁止となり、イエス・キリスト(Jesus Christ)の生誕地に立つとされる聖誕教会(Church of the Nativity)も閉鎖された。同教会をはじめとする観光地の閉鎖は、3月20日まで続く見通し。

 イスラエル国防省は、ベツレヘムに緊急措置を適用し、イスラエル人・パレスチナ人を問わず全ての人に対し「ベツレヘムへの出入り」を禁止したと発表。「パレスチナ当局との連携」に基づく措置だと説明した。

 ムハマド・シュタイエ(Mohammed Shtayyeh)自治政府首相は、5日夜に放送された地元テレビ局の特別番組で、行政区域をまたいだ移動は許可を得ない限り全面禁止し、学校・教育機関も全て休校すると述べた。大規模なスポーツ大会や会議など、大勢の人が集まるイベントも中止された。

 パレスチナ保健省によると、感染者が見つかったのはベツレヘムのホテルで、2月下旬に宿泊したギリシャ人観光客2人が後日、新型ウイルスに感染していると判明した。これまでに感染が確認された7人は全員、隔離されている。また、複数のホテル従業員に感染の疑われる症状があるという。(c)AFP/Majeda El-Batsh