【3月6日 AFP】サッカーブラジル代表の元スター選手で、W杯日韓大会(2002 World Cup)の優勝メンバーであるロナウジーニョ(Ronaldinho)氏が、兄とともに偽造パスポートでパラグアイに入国したとして、同国の首都アスンシオンで7時間にわたり検察当局の聴取を受けた。同氏の代理人は5日、疑惑について否定した。

 子どもたちのための慈善団体から招待を受け、さらには自身の書籍を宣伝するために同地に赴いていた39歳のロナウジーニョ氏は、4日に滞在先のホテルで兄とともに身柄を拘束された後、翌日午前にパラグアイ人の弁護士に付き添われて兄とともに当局へ出頭した。弁護士は同氏について、「二人は自発的にその場にとどまり、検察官による捜査に従った」「自身の書類以外を使う必要はなかった」と主張した。

 この事件の主任捜査官によると、ロナウジーニョ氏は逮捕されているブラジル人実業家から偽造パスポートを与えられたとされている。また、同氏は問題の書類について、1か月前にブラジルで与えられたものだと供述しているという。

 検察の責任者は、二人の偽造文書はアスンシオンの玄関口であるシルビオ・ペティロシ空港(Silvio Pettirossi Airport)で発見されたと公表。同氏が兄とともに「改ざんされたパラグアイの旅券と偽造された身分証明書を使った」ことも付け加えた。

 現役時代にはスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)をはじめ、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)やフランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)で活躍し、FIFA年間最優秀選手(FIFA World Player of the Year)を2度受賞しているロナウジーニョ氏は、ブラジル南部リオグランデドスル(Rio Grande do Sul)州のビル建設で環境を破壊したとして科された罰金230万ドル(約2億4000万円)を支払わず、2018年11月にパスポートを没収されていた。

 しかしながら、弁護士はロナウジーニョ氏が渡航の際に自身の身分証を携帯し、渡航制限なども受けていなかったと主張。兄弟は現在、現地で行動制限などはされていないことも明かした。検察当局はAFPの取材に対して、二人のどちらも逮捕されていないと述べた。

 映像は検察当局から出てきたロナウジーニョ氏、5日撮影。(c)AFP