【3月6日 Xinhua News】中国のバッタ防止・制御の専門家チームがこのほど、パキスタン・カラチでの記者会見で、中国はこのたび、サバクトビバッタの大量発生(蝗害)に見舞われているパキスタンに対し、包括的な緊急支援を実施したことを発表した。

 バッタの大群は、これまでに農地数百万エーカーに被害をもたらし、パキスタンの食料安全保障に対する深刻な脅威となっている。

 この状況に対し、同チームの首席専門家の王鳳楽(Wang Fengle)氏は、中国政府は非常に重視し、状況分析と対応策を講じたうえ、緊急支援を行ったと述べた。

 王鳳楽氏は、中国のバッタ防止・制御の専門家チームの任務は三つあると説明した。一つ目は、現地調査を実施し、パキスタンのバッタ対策を支援。二つ目は、蝗害予防・抑制を目的とした持続可能なシステム・メカニズムの構築。三つ目は、バッタ予防・抑制に関するパキスタンとの長期的な協力関係の構築。

 国連食糧農業機関(FAO)でパキスタンにおけるバッタ対策を担当するムバラク・アフマド氏は、新華社のインタビューを受け、次のように語った。パキスタンでバッタの大群が、最初に南部シンド州、特に同州のタルパカール砂漠を中心にしたところで目撃された。その後別の地域に移動し、作物を食い荒らした。

 アフマド氏はまた、「昨年10月末から11月にかけて、バッタの大群がタルパカール砂漠に舞い戻り、卵を産んだ。卵は今後数か月のうちに大きな脅威となる恐れがある。なぜなら、卵がふ化すれば、バッタの数は数十倍以上に膨れ上がるからだ。そうしたら、パキスタンは大きな課題に直面することになる」と警鐘を鳴らすように述べた。

 パキスタンの公式統計によると、この9か月の間に、3000万エーカーの土地が蝗害に見舞われたが、殺虫剤が散布できたのはその100分の1しかなかった。

 東部パンジャブ州と南西部バルチスタン州、北西部カイバル・パクトゥンクワ州も蝗害の影響を受け、パキスタンのイムラン・カーン首相は今月、国家非常事態を宣言した。中国に支援を求めるよう食料安全保障研究省に命じた。

 中国農業農村部国際協力局の徐玉波(Xu Yubo)氏は記者会見で、中国のバッタ防止・制御に関する技術と経験は、パキスタンのニーズに十分に応えると語った。さらに中国には、最先端の予防・制御技術や器具、人員のトレーニング、早期警戒プラットフォームなどの分野で協力する用意があると説明した。(c)Xinhua News/AFPBB News