【3月10日 People’s Daily】中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)の西渓医院は2月15日、主として漢方薬療法により88歳の新型肺炎患者の治癒に成功した。杭州市中医(漢方医)院の林勝友(Lin Shengyou)副院長は「漢方薬で疫病を防止できると自信をもった」と語った。副院長によれば、当初は普通の西洋医学のやり方で治療しようとしたが、患者は高齢の上、慢性病も患っており、抗ウイルス薬を受け付けなかった。そこで漢方薬療法に変えたところ、急速に回復したという。

 同じ浙江省の湖州(Huzhou)からも成功例が報告された。患者は56歳の女性で重症だったが、漢方薬で治療したところ、体温は徐々に平温に向かった。胸苦しさや息切れといった症状も改善され、短期間で重症を脱した。湖州市中医院の嵇氷(Ji Bing)副院長によれば、湖州では新型肺炎の感染者は10人だが、いずれの治療にも漢方薬が使われているという。

 浙江省では各地で新型肺炎の治療に漢方薬が使われており、しかも「すぐに漢方薬を使う」という原則にのっとり、疑似患者にも使用されている。浙江省衛生健康委員会の漢方薬管理局の謝国建(Xie Guojian)局長は「漢方医も共同診察に参加し、すぐに患者に漢方薬を飲ませている。各地からの報告によると、患者に漢方薬を服用させると、発熱や咳(せき)などの症状が明らかに改善する」と話す。

 浙江省各地の多くの病院では、漢方薬治療のほか、ツボ押しとか「八段錦」という健康体操も行っている。

 浙江省では現在、「濃厚接触者には予防薬、疑似患者にも漢方薬、漢方医が隔離病室に入って治療の全過程に参加、回復期にも漢方薬」という漢方薬治療体系が形成されている。省全体で漢方医は新型肺炎感染者1136人の治療に参加した。これは全体の96.84%にあたる。このうち治癒したのは493人、症状が改善したのが523人、経過観察中が120人。(c)People's Daily/AFPBB News