【3月5日 AFP】西アフリカのモーリタニアは4日、新型コロナウイルスが流行している国・地域からの渡航者に対する隔離措置から逃れようとしたイタリア人観光客15人を拘束し、送還したと発表した。

【図解】現在の感染者・死者数(5日午前2時時点)

 モーリタニア保健省のアブデルカデル・ウルド・アハメド(Abdelkader Ould Ahmed)報道官がAFPに明らかにしたところによると、15人は2月29日に首都ヌアクショットに到着。北部の観光の中心地アタール(Atar)行きを計画していたという。

 しかし、欧州最多となる3000人超が新型ウイルスに感染し、107人が死亡しているイタリアからの渡航者は、隔離措置の対象となっている。このため15人は29日夜、ヌアクショットのホテルに宿泊して隔離を待っていた。

 アハメド報道官は、「彼らは過ちを犯した。モーリタニアの新型コロナウイルス対策によって課された隔離措置から逃れようと、ひそかにホテルを出てアタールに向かった」「15人はヌアクショットから90キロ離れたところで拘束され、空港に移送された。そこからモロッコ経由で送還され、1日にイタリアに到着した」と述べた。

 イタリア外務省は、15人全員が「外交ネットワークの支援を受けて」帰国したと認めた。

 アハメド報道官は隔離措置について、「感染リスクがある国・地域からの渡航者全員を対象」に例外なく実施していると説明。「こうした厳格さが功を奏し」、モーリタニアではこれまでのところ感染者は確認されていないという。(c)AFP