【3月7日 Xinhua News】中国広東省(Guangdong)深圳市(Shenzhen)の街頭に、「無人冷蔵庫」が設置された。この冷蔵庫は、新型コロナウイルスによる肺炎の発生期間に仕事を続ける、出前や宅配便の配達員、清掃員に対し、市民や店主が寄贈した飲み物や食品が入っている。

 新型肺炎は中国の大都市を静かにしていた。公共交通がストップし、人々が外出しない中、出前や宅配便の配達員、清掃員らは毎日のように街を走り回って、都市を動かし、在宅生活を送る市民たちに必要な生活サービスを提供している。 

 感染の抑制が進むにつれて、都市の諸機能は回復し、営業再開は着々と進み、街中を出歩く市民はますます増えている。深圳市のショッピングモール「福田星河COCO Park」などの大型小売り施設はこのほど、出前や宅配便の配達員、清掃員に応援する気持ちを伝えようと、半月にわたって、「無人冷蔵庫」キャンペーンを実施している。

 キャンペーンの掲示板には「温かくしていただき、ありがとうございます」と書かれていた。福田星河COCO Parkの責任者、李文開(Li Wenkai)氏は、「敬意を表したい気持ちでこのイベントを企画した」と話した。

 李文開氏によると、九つの施設が今回の「愛の伝達」キャンペーンに参加し、1万元(1元=約15円)以上の飲み物と食品を寄贈した。また、市民たちからも多くの食品と飲み物が自発的に贈られた。

 ある人はクコの実(ゴジベリー)数袋、ある人はミルクティー5本、中には、ショッピングカート2台を使って、ペットボトル入りの水や飲み物10箱以上を持ってきた人もいた。また、「マスクを着けていない清掃員の方へ」と書かれたマスク入りの黄色い封筒を置いていった人もいた。

 「無人冷蔵庫」に対しては、清掃員が30分ごとに消毒している。「無人冷蔵庫」を目にした出前や宅配便の配達員、清掃員らは、始めこそ「おや?」と思ったが、その後は「ぬくもり」を感じたという。

 受け取った飲み物を道端で飲み干した、一人の出前配達員は「喉の渇きが潤されただけでなく、心も温まった」と話した。(c)Xinhua News/AFPBB News