【3月10日 CNS】中国・湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)にある湖北第二師範学院(Hubei University of Education)の4年生の呉さんは、このところ落ち着かない。卒業論文を書きながら、大学院試験の準備をし、同時にインターネット上で採用情報をチェックしている。

 これまでの慣例では、2月から3月にかけて、卒業を迎える学生らが会社説明会巡りをする時期だが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、春季恒例の採用イベントは延期となり、大学院試験も卒業論文口頭弁論も全部延期となった。呉さんのような卒業間際の学生は、卒業、大学院試験、就職の3つの選択肢が止まってしまい、困惑する毎日だ。

 国務院が2月28日に開いた記者会見で、教育部の翁鉄慧(Weng Tiehui)副部長は、874万人の大学卒業生の就職活動を円滑に進めるよう対策を取ると語った。中でも、湖北省の大学卒業生に対する支援を強化することを強調。武漢市の大学によると、オンラインでの春季説明会や面接、雇用契約など多くの対策が打ち出されている。

■卒業生の現状、大学院試験の準備をしつつ仕事を探す

 湖北省人力資源社会保障庁のデータによると、2020年度の湖北省の大学卒業生は44万人で、前年度から2万人増える見通しだ。

 呉さんは昨年末に大学院の筆記試験を受験。感染対策の影響で、面接試験日程が決まらない、中ぶらりんの状態だ。

 いろいろなことが延期され、卒業生らは不安な気持ちで待機している。現在、呉さんができることは、卒業論文の準備をしつつ、大学院試験の準備も行い、同時に春季採用説明会の情報を追いかけることだ。

■大学側の対応、ネット上で採用説明会と面接

 恒例の春季採用イベントが開催できない状況で、武漢の各大学の就職指導センターは困惑した。湖北大学湖北大学(Hubei University)は2月上旬、雇用者と学生に対し、全ての対面形式での就職活動・イベントを中止すると発表した。

 このため、各大学はインターネット上で行うオンライン就活へと切り替えた。湖北大学は就活プラットフォーム4社を選んで取り組んでいる。

 同大学によると、オンライン就活の効果はあり、大学院生の就職率は30.48%、本科生は12.46%と、例年と比べて逆に高くなっているという。要因は、今年はオンラインで雇用契約を行うため、以前であれば、紙の契約書にサインをしてもそれをすぐには提出しなかったが、今年は直接ネット上でサインためデータの反映が早くなっているためという。(c)CNS-現代快報/JCM/AFPBB News