【3月4日 AFP】欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)会長は3日、マンチェスター・シティ(Manchester City)がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てる中、ファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の規則を見直す可能性があると話した。

 シティは2月、FFP違反によって欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)出場禁止の処分を受けたが、これを不服としてCASに異議を申し立てている。

 オランダ・アムステルダムで行われたUEFAの総会を終えたチェフェリン会長は、記者会見で「今後の在り方を明言するのは時期尚早だが、考えてはいるし、調整の必要が生じるだろう」「FFPはシステムとして大きな成功を収め、欧州サッカー界の赤字はほぼゼロになったが、おそらく今後は別の時代に合わせていく必要がある」と話した。

 FFPは、欧州サッカー界の赤字が膨らみ続けていることを受けて導入された収支の均衡を義務づける規則で、育成年代や女子部門への投資を除き、3年間の損失が3000万ユーロ(約36億円)を超えてはならないと定められている。

 審査が始まった2011年には、欧州クラブの赤字総額は17億ユーロ(約2040億円)と報告されたが、最新の報告では、域内700の1部クラブが2018年に総計1億4000万ユーロ(約168億円)の黒字を出すまでになったという。

 一方でこの10年の間には、それぞれアラブ首長国連邦(UAE)とカタールの莫大(ばくだい)な資金力を誇るオーナーを得たシティとパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)が、欧州の名門クラブやFFPの規則そのものにとっての大きな課題になっていた。

 プレミアリーグ2連覇中のシティは、2012年から2016年にかけてスポンサー収入を水増ししていたことが発覚し、重大なFFP違反により2年間の欧州カップ戦出場禁止処分を受けた。クラブは前週、CASに正式に異議を申し立てている。(c)AFP