【3月4日 Xinhua News】中国科学院紫金山天文台は2日、同天文台の研究者が中国の研究者と協力し、米国の太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー」の観測データに基づき、太陽フレアと呼ばれる爆発が大気の変化を引き起こす現象を新たに発見したことを明らかにした。

 太陽フレアが起こった時、フレア発生領域では大きな明るさの変化はないが、十数万キロ先の太陽大気が非常に暗くなる。この現象の発見は、フレアと太陽大気の関係の研究や、正確な宇宙天気予報を行う上で、重要な意味を持つ。

 太陽大気の一部で発生する太陽フレアは、太陽が短時間で大量のエネルギーを放出して部分的な瞬間加熱を引き起こし、さまざまな電磁放射線を外部に放出するとともに、粒子放射線を伴って突然増強する。

 従来の研究でフレア領域の明るさが変化する現象は見つかっていたが、フレアによって遠方の太陽大気の明るさが変化することは発見されていなかった。

 研究チームは今回、2015年10月16日に発生したリングフレアを詳しく分析。その結果、フレアのあった領域で著しい明るさの変化は見られなかったが、フレアから18万キロ離れた地点で太陽大気の最も外側にあるコロナが非常に暗くなったことを発見した。研究チームはその後、フレア領域の明るさが変わらず、遠方のコロナが暗くなる同様のケースを複数発見し、このような現象が個別の事象でないことを明らかにした。研究成果はこのほど、天文学誌「Astronomy and Astrophysics」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News