【3月4日 AFP】フランス・リーグ1、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)でプレーするキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)の東京五輪出場について、フランス代表のディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督が3日、派遣を認めないのはPSGの「権利の範囲内」だと話した。

 UEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League 2020-21)の組み合わせ抽選会に出席したデシャン監督は、この件について「PSGも、ひょっとすると他のクラブも、それぞれの立場を示したわけで、そのことは彼らの権利の範囲内」だと話した。

 このコメントは、エムバペの東京五輪出場を認めない方針をPSGがフランスサッカー連盟(FFF)に伝えたという、仏スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)の報道を受けたもの。五輪の試合は国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際試合の日程中に開催されるわけではないため、各クラブに選手を派遣する義務はない。

 東京五輪は7月24日から8月9日の日程で開催されるが、来季のリーグ1は8月7日に開幕する。またエムバペは、6月12日から7月12日に行われる欧州選手権(UEFA Euro 2020)のフランス代表に選出されることが確実視されている。

 エムバペ本人は、これまでたびたび東京五輪に出たいと話しており、FFFのノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長も、五輪代表候補となる80人の大枠のリストにエムバペを入れている。候補はこの後50人に絞り込まれ、最終的に代表メンバー18人、補欠4人が選出される。また五輪では、24歳以上のオーバーエージ3人をチームに入れることが認められている。

 ル・グラエ会長は「世界中からオファーが殺到している選手ではあるが、あの年齢の青年が『五輪に出たい』と言うのは良いことだと思う。とはいえ、他の大会と両立できるかはまた別の問題だ」「PSGにはこの件について話し合う資格がある。しかし私は、一人の青年の言葉としては『どうでもよい』よりも『行きたい』の方が好きだ」と話した。(c)AFP