【3月3日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2日、自らが主導する改憲に関する追加案を議会に提出した。ロシア人の信仰に関する言及や結婚を男女間のものと規定する案のほか、ロシア領の割譲禁止などが盛り込まれているという。

 プーチン氏は今年1月、議会に全面的な改憲案を提出し政界に波乱を起こした。現行のロシア憲法(基本法)が施行された1993年以来、改憲案の提出は初めてだった。下院は第一読会(第1回審議)で2時間足らずの議論の末、全会一致で改憲案を承認した。

 ビャチェスラフ・ウォロジン(Vyacheslav Volodin)下院議長によると、プーチン氏は来週予定されている主要審議となる第二読会を前に、24ページにわたる改憲追加案を提出した。

 ピョートル・トルストイ(Pyotr Tolstoy)下院副議長によると、追加案ではロシア人の「神への信仰」が法制化されているという。国民の大半は正教徒としてのアイデンティティーを持っているが、公式にはロシアは世俗国家だ。

 また追加案にはロシア領の割譲禁止が盛り込まれ、割譲を促すいかなる呼び掛けも違法とされる。ロシア大統領府が任命した改憲作業部会のメンバーで俳優のウラジーミル・マシコフ(Vladimir Mashkov)氏はこの案について、2014年にウクライナから併合したクリミア(Crimea)半島や、数十年にわたり日本と争っているクリール諸島(Kuril Islands、北方領土を含む千島列島)をロシアが保持することを、プーチン氏の退任後も保証するものだとの見解を示した。(c)AFP/Anna SMOLCHENKO