消える握手? 新型コロナ流行で変わる世界の習慣 中国は「拱手」呼び掛け
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【3月3日 AFP】握手を断り、頬へのキスを拒み、果てにはハグさえも避け、代わりに目を真っすぐ見つめたり、両手を使って身ぶりをしたりするようになるかもしれない。
世界中の職場や家庭、教会などで、新型コロナウイルスの感染リスクと流行拡大を抑えるために、人々の習慣が変化している。世界で3000人超の死者を出している新型ウイルスをめぐり、各国の日常習慣はどう変化しているのだろうか。
■中国
新型コロナウイルス流行の発生地となった中国の首都北京では、赤い警告板で市民に対し、握手はせず、代わりに自分の両手を合わせてあいさつをするよう呼び掛けている。また市中の拡声器では、胸の前で片手を握り、それをもう一方の手で包み込む伝統的なあいさつ、拱手(こうしゅ)を呼び掛けている。
■フランス
フランスの職場では握手が日常的なあいさつであり、また初めて会ったばかりの人同士でさえ頬にキスをする習慣がある。だが今、フランスの新聞には、これらに代わるあいさつのアドバイスがあふれている。
メディアによく登場するライフスタイル研究者のフィリップ・ラヒトゥフス(Philippe Lichtfus)氏は、握手は人類の歴史の中では比較的新しく中世に広まったあいさつの仕方だと説明。目と目を合わせるだけであいさつとしては十分だと主張している。
■ブラジル
ブラジル保健省は、南米の飲料マテ茶を飲む際に使用する鉄製のストローを他人と共有して回し飲みをしないよう勧告している。またキスは、たとえ唇以外でも当分の間、しない方がいいとアドバイスしている。
■ドイツ
ドイツでは2日、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相がしようとした握手を、ホルスト・ゼーホーファー(Horst Seehofer)内相が笑いながら拒む一幕があった。ゼーホーファー氏が手を出さなかったため、メルケル氏はそのまま手を上げ、2人は笑い合った。
■スペイン
キリスト教の祝日イースター(Easter、復活祭)を約1か月後に控えるスペインでは、聖母マリア(Virgin Mary)の像にキスをする習慣を禁止するかどうか検討されている。
■イラン
新型コロナウイルスへの感染で66人の死者が発生しているイランでは、3人の友人同士が握手の代わりに足を振り、つま先を当ててあいさつする動画がインターネット上で拡散している。
■レバノン
レバノンでも同様に歌手とコメディアンが登場し、口でキスの音を立てながら、つま先を当てあってあいさつする動画が登場している。
■アラブ首長国連邦(UAE)
UAEでは伝統的な「鼻と鼻をつける」あいさつをやめるよう市民に勧告している。また握手やキスもすべきでないとして、代わりに「手を振るだけ」にするよう呼び掛けている。(c)AFP/Cécile FEUILLATRE