【3月2日 CNS】中国・広州医科大学(Guangzhou Medical University)は、中国工程院の鐘南山(Zhong Nanshan)院士の率いるチームの論文が2月28日、米学術雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」でオンライン発表されたことを明らかにした。患者のデータの研究を通して新型コロナウイルスの臨床的特徴が示され、致死率は1.4%、野生動物と直接接触したことのある患者はわずか1.9%だったという。

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 研究チームは1月29日までに、中国の31の省・市にある552の病院から、新型ウイルスによって引き起こされた急性呼吸器疾患の実験室確認済みの患者データ1099件を収集・分析した。

 共同著者の広州医科大学の関偉傑(Guan Weijie)教授らはNEJMの公式アカウントでコメントを寄せ、初めて中国全土の患者データを収集・分析することにより、致死率が1.4%であることを明らかにし、中国の保健当局の報道データに近い値となったと述べた。

 研究では、患者の約半数は入院時に発熱しておらず、その後、90%近い患者は発熱したことを指摘している。また、消化器系の症状は少ないが、消化器系を通して感染した証拠(ふん便、胃腸粘膜の破損出血からウイルスを発見)を認め、ふん便による感染に注意するよう求めている。

■潜伏期間は最長で24日、中央値は4日

 少し前、同研究論文は医学系プレプリントサーバー「MedRxiV」上で公開され、潜伏期間が最長24日とした点に読者は注目していた。

 潜伏期は主として患者が述べる伝染源(感染者や野生毒物)との接触日時と初めて発熱、せきなどの症状が現れた日時により決まる。人により潜伏期は異なり、研究者らは統計学上の中央値と最小値と最大値を用いて潜伏期間の集中と分散分布の動向を見る。

 研究によると、重症と非重症の患者群に潜伏期間が24日の患者がそれぞれ1人ずついた。しかし、患者群全体の潜伏期の分布法則を細かく確認すると、潜伏期間が14日以上の患者は13人(12.7%)、18日以上は8人(7.3%)となり、単純に最小値と最大値に基いて評価すると判断を誤るとしている。

 研究者らがデータの中の不合理な要素を排除し、再計算を行った結果、得られた潜伏期間の統計学上の中央値は4日間となった。これにより、研究者らは人の離散動向をよりよく表すために、潜伏期間の四分位数を5日間(2~7日間)とすることを定めたとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News