【3月2日 AFP】リオデジャネイロ五輪の陸上男子400メートルで金メダルを獲得したウェイド・バンニーキルク(Wayde van Niekerk、南アフリカ)が、深刻な膝のけがから復帰を果たす中、地方選手権で優勝を飾った。

 世界選手権(IAAF World Championships in Athletics)の400メートル連覇の経験を持つ27歳のバンニーキルクは先月29日、南アフリカ中部ブルームフォンテーン(Bloemfontein)で行われたフリーステート(Free State)州の選手権に出場すると、同種目で47秒42を記録し優勝を果たした。

 この日のタイムは、リオ五輪の決勝でマークした43秒03の世界記録にはほど遠かったものの、アンス・ボサ(Ans Botha)コーチはバンニーキルクの走りに大満足だった。

 ボサ氏は、「ウェイドはゴールラインの20メートル前で走るのをやめ、ジョグに切り替えた。45(秒台)のレースもできた」とコメントした。

 またボサ氏は、どんよりした天候と肌寒さがタイムの出なかった要因だと付け加え、「この天候ではあまり無理はできない。5か月後に(東京)五輪があるから、あえてリスクはかけたくなかった」と続けた。

 ケープタウン生まれのバンニーキルクは、肌寒いコンディションを理由に昨年ヨハネスブルクで行われた国内選手権を棄権していた。

 第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)を欠場したバンニーキルクは、東京五輪での連覇を狙っているが、ここ最近の4レースは控えめな結果の勝利となっている。

 ある大学の芝の上での100メートルでは10秒20(手動計時)を記録したバンニーキルクは、トラックで行われた大会では100メートルで10秒10、200メートルで20秒31(ともに電気計時)をマークした。

 バンニーキルクは2017年10月、南アフリカとニュージーランドによるラグビーのテストマッチ前に行われたタッチラグビーの試合で膝を負傷。米国とカタールの医療施設で治療を行ったバンニーキルクだが、膝を打撲するなど復帰に向けてつまずくこともあった。

 バンニーキルクの次戦は、来月9日にケープタウンで行われる200メートルになるとみられている。(c)AFP