【3月2日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の元スター選手、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏が命を落としたヘリコプター墜落事故の現場画像を、複数の保安官がシェアしていたと米メディアで報じられている。ブライアント氏の妻ヴァネッサ(Vanessa Bryant)さんは、担当弁護士を通じて「大変なショックを受けている」と話している。

 この件では米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)が、ヘリコプターが丘陵地帯に墜落した数日後、複数の被害者の遺体が写っている現場の画像を保安官が共有していたと報道。同紙は画像を何人くらいが目にしたのか、また写真は保安官が現場で自ら撮影したのか、他人から受け取ったものなのかは不明だとしている。

 この報道を受け、ロサンゼルス郡保安局(Los Angeles County Sheriff's Department)は先月28日、この件の調査を始めたことを発表した。

 また芸能情報サイト「TMZ」は、今回の疑惑は1件の通報から明らかになったと伝えている。TMZは匿名の関係者の話として、見習の保安官補が、派遣された現場でスマートフォンを使って自ら撮影した後、バーで別の客に画像を見せているところを目撃した店員が、保安局に苦情を訴えたと報じている。

 こうした状況を受けて、ヴァネッサさんの担当弁護士が1日、夫人のインスタグラム(Instagram)に代理でコメントを掲載した。担当弁護士はヴァネッサさんが事故当日、現場付近を飛行禁止区域にしてカメラマンを遠ざけ、事故が不適切な扱いをされないようにしてほしいと保安局に要請していたことを明かしている。

「すべての犠牲者とその家族の尊厳が守られることを夫人は望んでおり、そのためにも極めて重要なことだった」「当時からアレックス・ビラヌエバ(Alex Villanueva)保安官はあらゆる手段を講じて家族のプライバシーを守ると約束しており、彼がその要請を尊重するべく努力しているというのがこちらの理解である」

 その上で、現場の画像をシェアするのは「良識を疑う不敬な行為であり、被害者と家族のプライバシーに対する言語道断の違反」だと述べ、夫人と共に、この件の内部調査を進めるよう保安局に要求したと続けた。

 墜落事故は1月26日に起こり、ブライアント氏と13歳の娘ジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さんを含めた9人が犠牲になった。(c)AFP