【3月2日 AFP】トルコは1日、シリア北西部のイドリブ(Idlib)県にドローン攻撃を実施し、シリア政府軍の兵士19人が死亡した。シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が明らかにした。トルコ・シリア間の緊張は急激に高まっている

 同監視団によると、19人の兵士はジャバル・ザーウィヤ(Jabal al-Zawiya)地域での軍車列およびマーラトヌマン(Maaret al-Numan)市付近の基地を狙った攻撃で死亡した。

 今回の攻撃は、イドリブ県でのシリア政府軍に対するトルコの攻撃がエスカレートしている中、トルコがシリア軍のSU24戦闘爆撃機2機を撃墜した数時間後に報じられた。トルコ政府の支援を受けたイスラム主義の武装勢力は、国土全域の支配権を取り戻そうとしているシリア政府にとって最大の障害になっている。

 イドリブ県での数週間にわたる戦闘に続いて、シリアが実施したとトルコが非難する先週の空爆で、トルコ軍の兵士34人が死亡したことを受け、トルコはシリア軍に対する全面的な軍事作戦を開始すると発表していた。一方でトルコ政府は、ロシア軍との直接衝突は望んでいないと表明している。

 トルコ政府はこの紛争をめぐり欧州にも圧力をかけており、国境を開いてトルコ国内にいる難民を欧州大陸に向かわせている。

 ロシアの支援を受けたシリア軍と、北大西洋条約機構(NATO)加盟国でシリアの反体制派を支援しているトルコとの対立は、紛争拡大への不安と、2015年と同様の欧州移民危機への懸念を引き起こしている。(c)AFP/Raziye Akkoc