【3月2日 Xinhua News】中国の香港科技大学(HKUST)は27日、新型コロナウイルスのワクチン開発に役立つ可能性があるワクチンの標的を特定したと発表した。この研究結果は、科学雑誌「Viruses」に掲載された。

 同大学のデータサイエンティストのマシュー・マッケイ教授とアーメド・アブドゥル・クエーダー博士率いる研究チームは、重症急性呼吸器症候群(SARS)に免疫応答を引き起こすタンパク質断片で、新型コロナウイルスに対しても同様に免疫応答を誘導する可能性があるSARS由来のB細胞およびT細胞エピトープを特定した。この研究結果は新型コロナウイルスに有効なワクチン開発において、さらなる研究への足がかりとなる。

 研究チームは、SARSウイルスのエピトープ(ヒト免疫細胞が標的とするウイルスの小さなタンパク質断片)の20%が、新型コロナウイルスと遺伝的に一致することを発見。マッケイ氏は「これらは新型コロナウイルスに対して免疫応答を引き起こす可能性が最も高い候補だと考えられる」と述べた。

 研究チームは集団カバレッジ分析も実施。この研究で特定されたT細胞エピトープが、SARS発生時に集団の大部分で免疫応答を誘発する能力があったことを突き止めた。

 クエーダー氏は「この一連のエピトープが新型コロナウイルスにも存在するのであれば、それらから開発されたワクチンは人口の大部分に有効的な可能性がある」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News