【3月1日 AFP】ギリシャの政府関係者は1日、過去24時間以内にトルコから同国へと越境を試みた移民1万人近くの入国を阻止したことを明らかにした。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、欧州との境界であるトルコ国境を開放すると欧州連合(EU)に脅しをかけると、ギリシャ国境沿いには今週末、殺到する移民の数が膨れ上がった。

 エルドアン大統領は、シリアのイドリブ(Idlib)県で27日に行われた空爆により、シリア反体制派を支援しているトルコ軍兵士数十人が死亡したことを受け、シリア情勢をめぐりEUに圧力をかけている。

 ギリシャの政府関係者によると、同国軍と警察が大勢の移民のギリシャ入国を阻止。

 トルコと国境を接するギリシャ北東部のエブロス(Evros)地方では、「2月29日午前6時(日本時間同日午後1時)から3月1日午前6時(日本時間同日午後1時)にかけて、9972件の不法入国を防いだ」と明らかにした。

 また、1日未明に北東部カスタニエス(Kastanies)の森を通ってギリシャへの越境を試みた移民も大勢いたという。

 ギリシャ当局によると、移民73人が逮捕されたが、「(シリアの)イドリブ県ではなく、アフガニスタンやパキスタン、ソマリアの出身者だった」という。

 国際移住機関(IOM)は先月29日、トルコとギリシャの国境には約1万3000人の移民が集結していると報告。中には幼い子ども連れの家族もいるとしている。(c)AFP