【3月1日 AFP】マレーシアで1日、ムヒディン・ヤシン(Muhyiddin Yassin)前内相が首相宣誓式に臨み、正式に就任した。マハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)氏(94)率いる政権の崩壊を受け、不祥事にまみれて下野した野党連合が政権に復帰することとなった。ただ前首相のマハティール氏は、一連の動きについて違法と非難している。

 2018年の選挙で歴史的勝利を収めたマハティール氏率いる改革派の「希望連盟(Pact of Hope)」の政権は先週、次期首相と目されたアンワル・イブラヒム(Anwar Ibrahim)元副首相の追放を目指した動きの後に崩壊。以後マレーシアは混乱に陥っていた。

 その後、マハティール氏は首相の座をめぐる争いで最終的に、知名度は低いもののマレー系イスラム教徒が支配する野党連合を率いるムヒディン氏に敗れた。

 国王が先月29日、ムヒディン氏を首相に任命したことは衝撃をもって受け止められ、マハティール陣営はマハティール氏が首相に返り咲くのに十分な支持を得ていると主張していたことから、民主的に選出された政権が突如追放されたとの怒りが広がった。

 マレーシアでは国王が首相を任命し、首相は国会議員の大半から支持を得ていることを示さなければならない。

 ムヒディン氏の与党連合には、失脚したナジブ・ラザク(Najib Razak)元首相が率いた統一マレー国民組織(UMNO)や、イスラム法(シャリア)の厳格化を求める強硬派グループも含まれている。(c)AFP/Samuel REEVES