【3月1日 AFP】ドーピング検査で検体の提出を拒否し、8年間の資格停止処分を受けた競泳男子の孫楊（Yang Sun、ソン・ヨウ、中国）の弁護士が29日、法的措置を講じると話した。

【関連記事】ホートン、資格停止孫楊との対立は「個人的なものではない」

　孫楊は28日、2018年9月のドーピング検査で尿検体などの提出を拒否した規則違反が認定され、2014年の3か月の処分に続く2回目の違反ということで、スポーツ仲裁裁判所（CAS）は長期の出場停止を言い渡した。

　これに対して、孫楊は裁定の直後からスイスの連邦裁判所に上訴する意向を示していたが、同選手の弁護士で、中国では有名な張起淮（Zhang Qihuai）氏がこの日、怒りのコメント文を発表し、「手続き上の過ちの連続」を根拠に異議を申し立てると改めて主張した。

「2020年2月28日は暗黒の一日だった。邪悪が正義に勝利し、権力が自明の真実に取ってかわる光景が繰り広げられた」「この日、CASは偏見に耳を傾け、規則と手続き、事実と証拠に目を向けようとせず、嘘（うそ）と偽の証拠を認めた」

　さらにコメント文の中では、孫の自宅を訪れた検査官が資格や認可を得ておらず、テストを続行しないという決断を下したのは検査官の側だという孫本人の主張が繰り返されている。張氏は「偽の証拠」を提出した検査官を訴えると話し、「事実をゆがめ、権力を乱用した」世界反ドーピング機関（WADA）を非難した。(c)AFP/Peter STEBBINGS