【2月29日 AFP】シリア政府軍が同国北西部イドリブ(Idlib)県で実施した空爆でトルコ軍の兵士33人が死亡した事態を受け、トルコとロシアの両首脳は28日、緊急電話会談を行った。一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、シリア軍がロシアの支援を受けて行う反体制派拠点攻撃の停止を呼び掛けた。

 シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権は、反体制派を最後の拠点から追放することを目指し、イドリブ県で激しい攻勢を展開している。

 ホワイトハウス(White House)によると、トランプ氏は27日夜に行われた空爆を「非難」し、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と共同で、ロシアとシリアに対してイドリブ県での作戦「停止」を呼び掛けた。

 トルコは空爆への報復として、無人攻撃機と砲撃でシリア国内の標的200か所以上を攻撃したと発表。さらに、国境を開いて難民らを欧州に流入させると宣言した。これにより多大な影響を受ける恐れがある周辺の欧州各国は、直ちに国境警備を強化した。

 ただ、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とエルドアン大統領はいずれも、緊張緩和に前向きな姿勢を示している。ロシア大統領府によると、両大統領は電話会談でこの事態について「深刻な懸念」を表明した。(c)AFP/Fulya OZERKAN with Stuart WILLIAMS in Moscow and Sebastian SMITH in Washington, DC